有給休暇とは何?概要と基礎知識

有給休暇とは何?概要と基礎知識

公開日 2021年4月14日 最終更新日 2021年8月29日

社会人になると「有給休暇」という言葉をよく耳にします。

有給休暇は労働者の権利であり、その内容は労働基準法で決まっています。

付与条件を緩和したり、日数を増やしたりと労働基準法の規定を上回るよう規定するのはOKですが、下回るような規定を企業独自に作るのはNGです。

以前筆者が勤めていた会社では年3日しか付与しないという規定がありましたがこれは労働基準法違反となります。

この様に、労働者の権利を侵害するような企業も中にはあるため、制度の内容をしっかり理解しておくことが重要になります。

そこで今回は、有給休暇とは何か、概要と基礎知識(付与条件・日数・買取等)について解説していきます。





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有給休暇とは?概要

正式な名称は「年次有給休暇」と言いますが、「有給」や「有給休暇」と略される場合が多いです。

有給休暇を簡単に説明すると「給料が発生する休暇」です。

通常の欠勤は欠勤時の賃金を給料から控除されますが、有給は休んでも控除されません。

この制度は労働基準法にはっきりと記載されており、条件を満たした労働者には必ず付与されるものであり、「うちは有給の制度ないから」「うちは有給2日しかない」といったように企業独自に決めていいものではありません。

ただし、先にも記述したように労働基準法の規定を上回る、つまり労働者側が得をするような規定をすることは可能です。

例えば、労働基準法では付与条件の一つに「勤続6ヶ月」という記載がありますが、入社後即有給を付与するような企業もあります。


有給休暇付与条件と日数

有給休暇が付与される条件は以下の2点です。

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 ・雇用されてから6ヶ月間経過している
 ・全労働日数の8割以上出勤している

 
この様に条件は緩く、基本的には取得できますが、何かしらの理由がありほとんど出勤していなかった場合は取得できないケースもあるので注意しましょう。
また、付与日数は勤続年数によって以下の様に変わってきます。

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・勤続期間 6ヶ月 付与日数 10日
・勤続期間 1年半 付与日数 11日
・勤続期間 2年半 付与日数 12日
・勤続期間 3年半 付与日数 14日
・勤続期間 4年半 付与日数 16日
・勤続期間 5年半 付与日数 18日
・勤続期間 6年半 付与日数 20日

6年半以降は一律に20日間となります。
ただし、有給休暇には時効があり2年間使用しなかった場合は消滅するので注意が必要です。


有給取得は拒否できる?

有給休暇は労働者の権利であり、いつ取得するのか、どんな理由で取得するのかは労働者の自由です。

中には「そんな理由では取得を認めない」「休みすぎだろ」などと言って有給取得を拒否しようとする企業もありますがこれはNGでパワハラにあたる可能性があります。

例外として、労働者の有給取得が事業の正常な運営を妨げる場合、取得する日を変更させる「時季変更権」という権利が企業にはあります。

例えば部署の社員全員が同じ日に休んでしまうと会社が運営できない可能性がありますね。

そういったときに休む日をばらばらにしてもらうようなイメージです。

この様に、いくら労働者の権利だからといって完全に好き勝手に取得できる訳ではありません。
ただ、これを逆手にとって悪用しようとする企業があるのも事実ですが…(これはパワハラにあたります)


有給の買い取りについて

会社が従業員の有給を買い取って消滅させる「有給の買い取り」をよく耳にしますが、これは原則として違法です。

ただし、労働基準法の規定日数よりも多く付与しており、その多い分を買い取ることや時効によって消滅する分を買い取ることは法律上問題ないとされています。

また、企業が有給を買い取る義務はありませんのでそこは注意が必要です。


関連記事:有給って買い取ってもらえないの?買取が認められるケースも

最後に

今回は有給休暇とは何か?概要と基礎知識について解説しました。

制度の内容をしっかり把握しておかないと知らず知らずの内に損をしていたり、パワハラに気が付かなかったりするのでしっかりと把握しておきましょう。

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この記事を書いた人

社畜シンド

大学卒業後、大企業から中小零細企業まで様々な規模のブラック企業にて合計約10年勤務。 過去の経験を活かし、ブラック企業やパワハラに悩んでいる方に向けて当ブログ及びツイッターで情報発信を行う。 ツイッターのフォロワー数1万人以上。 Amazon kindleにて電子書籍「部下を潰す自分勝手な上司たち」「社員を洗脳するブラック企業の卑劣な手口」を出版。